新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生き辛さには、「生活困窮者自立支援事業」を活用してみませんか?
皆様こんにちは。今回は「生活困窮者自立支援事業」に関して取り上げたいと思います。生活困窮者自立支援事業という制度は耳馴染みの無い制度名かもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、その制度の支援内容の1つであった「居住確保給付金」の制度に注目が集まっていますね。
様々な暮らしの影響が出ている現状において、この制度自体も、既存の制度の解釈を広げて対応出来るようになっております。これにより新しい枠組みを作るよりも迅速な対応が可能になりますし、事務手続き等も今までより規制緩和がなされます。
それでは早速「生活困窮者自立支援事業」について簡単にご紹介してまいります。
<「生活困窮者自立支援事業」は、「生活保護」に至る前段階の方を支援する仕組みとして創設されています>
制度の中で「生活困窮者」は下記のように定義されています。
[生活困窮者とは?]
・経済的な問題を抱えている方 ・日常生活に問題を抱えている方 ・社会生活に問題を抱えている方
・上記内の方々で現在困窮しており最低限度の生活が維持することが出来なくなるおそれのある方。
この制度では、生活困窮者に対して、下記のような支援が行われていきます。
[生活困窮者自立支援事業の支援内容]
・自立相談支援事業(生活と就労に関する困りごと相談を受け付け、個別支援を行います)
・住居確保給付金事業(離職や廃業などで居住場所を失った方、失う恐れのある方に一時的な家賃相当額を支給します)
・就労準備支援事業(長期離職者や引きこもりの方など、就労に関わる困り事を個別に計画を立てて、就労の準備を行います)
・一時生活支援事業(ネットカフェ利用者など不安定な居住形態の方に対して、緊急的に衣食住の支援が必要な方の支援を行います)
・家計相談支援事業(相談者自らが家計の管理が出来るように家計の見直し等の支援を行います)
・生活困窮者世帯の子供学習支援事業(貧困状態の家庭の子供に対して、日常的な生活習慣や基礎学力の定着、進学に対する支援を行います)
自立相談支援事業と住居確保給付金の支給は、どこの自治体でも必ず行わなければいけない「必須事業」となっていますので、全国でこの相談は受け付ける事が可能です。また、それ以外の事業に関しては、各自治体が独自の対応や方法を取って、場合によってはまだ整備されていない所もありますので、詳細は各市区町村の「生活困窮者自立支援」の相談窓口(役所・社会福祉協議会・NPO団体など)にお問い合わせ頂ければと思います。
<生活困窮者自立支援事業は、原則として「就労が出来る態勢を作る」ようにする支援です>
様々な環境・状況・社会背景に伴う「困窮」の状態を、生活困窮者自立支援事業を活用する事で、自立できる状況に結び付けられるようにすることを目標に個別支援を行う事になっています。そのため、「就労支援」に繋がるように「ハローワーク」とも連携を図りながら対応する状況になっています。
今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う様々な生き辛さには、働く状況・環境の変化による収入減少、雇い止めによる収入と居場所の喪失、会社(事業)存続の危機による新規雇用の制限、家庭内DV被害の増加、子供の貧困等、様々な「働く」を取り巻く状況と環境の変化がきっかけとなる事が多いのです。
「生活困窮者自立支援事業」は、これら個別の要因を紐解き、整理してどこから手を付けて対応していくことが良いか、暮らしを守りながら、次の生活に向けた支援を一緒に検討してくれます。是非一度ご相談いただきたいと思います。
次回は、この制度の中の1つである「住居確保給付金」について、制度における最新のQ&Aを確認しながらご報告出来ればと考えています。