「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

自分の気付きと振り返り(16)

2025/01/21
 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。

今回の言葉は「本人が独居でも、家族が居ない人はいない」というものです。

本人を理解していく上で重要なアセスメントの1つに、本人がどのような家系で、どのような家族と暮らしていたかを理解する部分あります。これらを理解する為に対人援助職は、「家族システム」という理解の仕方をします。このシステムを理解する上でのキーワードが、下記の3つです。

①サブシステム(夫婦・兄弟・祖父母など)

②境界(世代間・内と外など)

③パワー(決定権・権威・お金・暴力など)

今、目の前にいるクライアントが、なぜそのように生きてきたか、考えに至ったのかを、家族システムを理解しながらアセスメントをしていくと、家族の関わりによって、生き方、考え方、信念など、その人を形作る様々な要素を知る事が出来ます。その要素は、自身にとって好ましい要素もあれば、好ましくない要素もあります。

例えるなら、クライアントが今生き辛さを抱えるとするならば、それは自分自身のせいだけではなく、育った環境や歴史や躾など、家庭内での育ちが要因である事も多いということです。

今まで私は、クライアントを取り巻く登場人物がいれば、当然家族システムとしてそれぞれに可能な限り話を聞いて理解しようとしていました。しかしクライアントに初めて会う場合に、「独居」「身寄りが居ない」という事前情報があると、無意識に家族システムを考えないで、クライアントの存在にのみ着目して、クライアントの家族を想像しようというスイッチが入らない部分がありました。そんな時に聞いた言葉が、「本人が独居でも、家族が居ない人はいない」という言葉です。

言われれば全くその通りです。例え独居や身寄りがなかったとしても、それは結果であり、そこに至るプロセスには当たり前に家族が居た事実があります。それをなかったことにしていた自分の浅はかさに、この言葉で改めて気が付かされました。

家族システムは確かにクライアントを知る、紐解くアセスメントの1つですが、どこまで行っても基礎となる「クライアントに興味を持つ」「自分でクライアントにひっかかりに行く」という「姿勢」や「想像力」が、どこまで行っても大事なのだなと改めて感じました。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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