「社会保障制度」を身近に感じてみませんか?「社会保険」の中から「年金保険制度」の概要について説明します。
皆様こんにちは。以前のブログで、「社会保障制度」における4つの柱の1つである「社会保険」内容と、その中身である「医療保険制度」について触れました。今回は引き続き、社会保険の中身の1つである「年金保険制度」について理解を深めていきたいと思います。
<「年金保険制度」は暮らす上で重要な「現金」の保障制度です>
この制度は、私たちが老齢にたったとき・障害があるときなど、働けなくなったときなどの生活を現金所得で補償するものです。下記に代表的な公的年金制度をご紹介します。
[老齢基礎年金]
・国民年金の加入者だった人の老後の保障として給付され、65歳になった時に支給されます。保険料の納付機期間と保険料の免除期間などを合算した資格期間が、原則25年以上ある場合に受け取ることが出来ます。給付の満額は20歳から60歳まで40年間の保険料を納めた場合になります。
・保険料を納めた期間が加入可能年数に満たない場合は、その期間に応じて年金額が決まります。希望すれば60歳から繰り上げて支給が可能ですが、その場合の支給額は繰り上げ時期に応じて減額されます。
[老齢厚生年金]
・厚生年金加入者だった人の老後の保障として給付され、65歳になった時に老齢基礎年金に上乗せする形で支給されます。老齢基礎年金を受け取るために必要な資格期間を満たしていて、厚生年金保険の加入期間が1年以上あること、受給開始年齢に達していることが支給の条件になります。加入年数と平均標準報酬月額により年金額は変化します。
[老齢福祉年金]
・国民年金発足当時にすでに高齢に達していたため、年金制度に加入出来なかった人や加入を要しなかった人に支給される年金です。利用できる人は、明治44年4月1日以前に生まれた人と、明治44年4月2日から大正5年4月1日までに生まれて、国民年金保険料納付済期間が1年未満かつ、保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が生年月日に応じて4年1ヶ月から7年1ヶ月以上ある人です。
[障害基礎年金]
・公的年金の加入者が病気やケガによって心身に障害があり就労出来ない状況になった際の現金収入の保障となります。受給の条件としては、障害の原因となった病気やケガについて医師の診察を受けた初診日が65歳未満であり、障害認定日に障害等級表に定める1から2級に該当すること、保険料納付済期間と免除期間の合計が3分の2以上あることが要件です。
[障害厚生年金]
・厚生年金加入者であり、障害認定日に障害等級表の1から3級に該当すること、険料納付済期間と免除期間の合計が3分の2以上あることが要件です。
[特別障害給付金]
・国民年金に任意加入していなかったことにより、障害基礎年金などを受給していない障害者が受け取れる年金です。
[遺族基礎年金]
・被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たしたものが死亡したときに、遺族に支給される年金です。死亡した者によって生計を維持されていた子のある配偶者と、18歳到達年度の末日を経過していない子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級が1~2級の子が対象です。
[遺族厚生年金]
・被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき、老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき、障害厚生年金を受けられる者が死亡したときに受給出来ます。受給出来る方は、妻、18歳到達年度の末日を経過していない子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級が1~2級の子などが対象です。
[寡婦年金]
・国民年金の第一号被保険者として保険料を納めた期間が25年以上ある夫が亡くなったときに、10年以上継続して婚姻関係にあり生計を維持されていた妻が対象になります。支給期間は60歳から65歳になるまでの間で、年金額は夫の第一号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3になります。
私たちが暮らす上で「現金」は無くてはならないものです。保障の全てが「物的な補償」であれば、私たちの暮らしには個性も選択の余地もありません。しかし、現金の保障があれば、私たちはそれを元にして、暮らしの中で選択肢を増やすことが出来ます。現金の保障は既に述べたように、多くの条件があり、求める全ての方に当てはまっている訳ではないのも事実です。しかし、暮らしの危機を感じている状況において、現金の給付が出来る制度は活用しない手はありません。自分たちの状況に当てはまるものが無いか、是非一度振り返ってみてはいかがでしょうか?そのきっかけになれれば幸いです。