自分の気付きと振り返り(59)「+-×÷を仕事で考える」

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「+-×÷を仕事で考える」というものです。
ソーシャルワーカーとしての私の仕事は、大まかに言えば「繋ぐ」仕事だと思っています。特に私は、「人・資源・情報・感情」を繋ぎ合わせ、繋ぎ合った結果がクライアントの暮らしに少しでもプラスになれるようにと考えています。基本的に仕事上では、私が大切に繋ぎたいと思う「人・資源・情報・感情」を「+(足し算)」することで、効果を発揮してきました。支援の構成要素を一から見つけ、ケースに応じて繋ぎ合わせる対応は、まさしく「足し算」だと思います。
これが出来るようになって数年が立ち、そこから発展して、私はより効果的になるようにするべく、繋ぐタイミングや、繋ぎ合わせる要素が最大限に力を発揮できるように、サポートしていく事を心掛けました。そうすることで、繋ぎ合わせる要素の数が多くなくても、クライアントやその家族、更に支援者たちも「安心感」や「やりがい」を感じてくれることも増えました。これが「×(掛け算)」だと考えています。
足し算と掛け算は、基本的にソーシャルワーカーとしての私が、少し前に立って立ち振る舞う事が多くなる対応でした。私自身もこの対応は得意としている部分でした。それ故、自分が一歩引いてチーム全体を俯瞰して、私では無くてもクライアントを支えられる状況を作ることはあまり腑に落ちた感覚がありませんでした。自分が居なくても仕事が成り立つと、自分の存在意義を脅かされるとも感じてひがみが出ていたからだと認識しています。そのような状況から少しずつ変化してきたのは、私が後輩をちゃんと教えるような立場になってからでした。
後輩のソーシャルワーカーは、当然ながら私とは違う性格で、言葉の選び方や対応の仕方、立ち振る舞いなどが違います。その後輩の働き方をみて後輩が成長している姿を認められた時、改めて自分が「裏方」になって自分が前に出ることなく「-(引き算)」をして、任せる事が出来ました。これは、支援者チームのメンバーの繋ぎ方の部分でも活きています。なるべく自分が表面に出なくても構成メンバーがそれぞれの力を発揮できるように、繋ぎつつも私自身は要所で引き算の立ち振る舞いをして、チーム全体の支援の底上げが出来るように裏方をしていく状況です。これも私は意識的にするのに時間がかかりました。
今の私の課題は、「÷(割り算)」です。底上げしつつある支援の構成要素が効果的に力を発揮できるよう、「人・資源・情報・感情」が繋がった時に、私が感じている「大切にしたい目線」を増やし、私が支援者チームに居る事で少しでもクライアントやメンバーが「安心感」を感じられる要素が増えるようにしていく事を目指しています。クライアントの為に私が居なくてもチームが動き続ける状況を目指す事が、今の私にとって割り算だと考えています。
これら「+-×÷を仕事で考える」という事を、自分の中で意図的に出来るようなレベルになる為に、これからもクライアントと支援者と一緒に研鑽できればと思っています。