新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の今、知っておきたい医療機関の機能と役割、社会制度の捉え方(Part1)
皆様こんにちは。新型コロナウイルス感染症が全世界的に脅威として認識され、日本国内でも「感染症事態の怖さ」と、それを取り巻く「眼に見えない恐怖」が私たちを包み、あらゆる場面で日常生活に不自由が出ています。
昨今、世界保健機関(WHO)より、新型コロナウイルス感染症の正式名称を「COVID-19」と発表されました。また、国際ウイルス分類委員会(ICTV)にて、感染症の原因を引き起こすウイルス名については、正式に「SARS-CoV-2」と命名されました。
日本国内でも、感染症の専門医療機関の奮闘はもちろん、その他の医療機関の対応は続くかと思われます。そこで、テーマに今回取り上げるのは、日本国内の「医療機関の機能と役割、社会制度の捉え方」についてです。
私たちの身近には、様々な医療機関が存在しています。しかし、その医療機関の特徴や、医療機関が有している機能をしっかりと把握していない事が多いのではないでしょうか?下記にそれらを解説させていただきますので、少しでも皆様が考える「医療に対する期待」と、「医療機関で対応できる機能と役割」や「社会制度がどのように動いているか」を知ることで、落ち着いて日常生活を過ごすための材料にしていただければ幸いです。
<それぞれの医療機関は、「医療法」に定められた中で届出を出した診療しか出来ない仕組みです>
私たちが日ごろ目にする医療機関には、規模の大きい・小さいという差や、スタッフが多い少ない、診療科目が多い少ない、検査機器が多い少ない、というような目に見える差以外は中々分かりにくいのが現状かと思います。
実際に医療機関は、「医療法」という法律や「診療報酬」という国が決めた基準の報酬によって区分けされ、対応できる範囲や内容が細かく定められています。また、保険適応になる診療行為を行う為の「施設基準」という、「人員配置」や揃っていないといけない「検査体制」や「入院設備体制」などを整備して事前に届け出をしておかなければ、実際に患者様を診療してはいけない状況があります。
<全ての医療機関で「救命救急」を引き受けることは出来ません。対応は「救急指定病院」になります>
急なケガや事故、体調の急変があり、「救急車」を始め「ドクターカー」や「ドクターヘリ」を要請することも、現在では珍しくなくなりました。しかし全ての医療機関で、このような緊急事態の患者様を対応できるような体制は取られていません。
緊急事態において対応してくれる医療機関は、「救急指定病院」という指定を受けている病院になります。救急指定病院は、救急患者の診療を引き受けることが医療機関の体制として整っていることを都道府県知事が認めた病院のことを指します。また、救急指定病院にも「一次救急」「二次救急」「三次救急」と、対応できる範囲が実は分かれております。
[一次救急]
・24時間体制で主に軽症な患者を引き受ける場所で、患者自身が医療機関へ出向き、診察を受けて治療をしてもらいます。
[二次救急】
・外来診察だけではなく、手術も含めた入院治療を24時間体制で対応している病院です。
[三次救急]
・救命救急センターのある病院で、二次救急では対応が出来ない重篤な患者を24時間体制で受け入れて医療を提供する病院です。
これらの救急指定病院は、各地域でそれぞれ救急医療に手を挙げた医療機関で輪番制にして休日夜間共に対応している場合や、その地域の拠点となる病院の施設の一部を利用して、そこに地域の医師が出向き診察を行う方法が取られています。自分達の住む地域においてどのような救急医療体制が出来ているのかを、一度調べてみるのも良いかと思います。次は、各医療機関の区分けのされ方についてご紹介いたします。
引き続き「医療機関の機能と役割、社会制度の捉え方」について触れてまいります。