「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

自分の気付きと振り返り(77)「自分の中の本心に気付けると大人になる」

 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分の心に留まったもの、自分の振り返りの言葉などを取り上げて、備忘録的に書き留めます。

今回の言葉は「自分の中の本心に気付けると大人になる」というものです。

人が「大人」と呼ばれる状態になるはどんな時でしょうか?

広辞苑で大人の定義を調べると、「十分に成長した人・考え方や態度が老成しているさま・分別のあるさま・精神的な成熟」という意味になっています。

対人援助職という仕事をしていると、日々様々な人と出会います。クライアントやその家族、他事業所の支援者、または所属組織のスタッフ等様々です。人と人との間には、感情が生まれます。それはポジティブな感情からネガティブな感情まで様々ですが、特にネガティブな感情を自分にも相手にも持った時、私はそれに執着したり納得できなかったり、傷ついたり怒りがこみ上げたり、自責の念に駆られたり他責思考になったりと、結果的に捕らわれて色々な動きが止まってしまいます。

私の悪い癖は、そのネガティブな感情が生まれた時に、自分の悪い所を見つけて、でもそもそもこの感情を抱かせた相手が悪いと考え、自分が悪くない理由について理論武装しようとする事です。その過程でまた自分の悪い所もちらつき、また相手の悪い理由を頭で考えてしまいます。

最初は感情として瞬間的に湧き起こったものを、変に頭で考えるから、自分の感情に手当が出来なくて、結局は「言い訳」を相手にも自分にもし続けます。考え方が固執するほどに、その言い訳で相手も自分も論破しようとするので、質が悪いです。

今でこそ、そんな負のループに入った時に、自分なりの解決策として、「その時自分の単純な感情は何だった?」と自分に問うようにしています。言い訳で梱包された私の本音を紐解くと、「羨ましい」「認めて欲しい」「怖かった」等の単純で根源的な感情に気が付くのです。その感情に自分自身で触れていくと、変な負のループから抜け出す気付きが生まれて、結果的に自分も相手も許せるようになっていきました。

プライドが高く打たれ弱く、自分の非を認めたく無く、弱い自分が嫌いで、その痛みからハリボテを作って自分を守らないと立って居られなかった私が、自分の事も相手の事も許せるようになったり、そもそも一人で振り返る事が出来るようになるまでには、15年程の時間がかかりました。ようやく私自身が「生きやすさ」を手に出来た感じがしました。

そして、今回のタイトルにある「自分の中の本心に気付けると大人になる」という言葉と出会う事で、「私が感じた生きやすさの正体はこれだ」と言語化出来た感覚になりました。自分の本心を気付ける人は少ないと思います。自分は悪くないと思うのは防衛本能ですからね。そして、気付けた本心を言語化する人は、もっと少ないと思います。言葉にしたら、自分の見たくない感情に気付いてしまう怖さもありますからね。

自分が生き辛さを感じたら、立ち止まって自分自身をアセスメントし直した方がいいかもしれません。それがスーパービジョンであり、自己覚知であり、感じの良い「大人」になるため自身の育て方なのかなと振り返りました。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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