自分の気付きと振り返り(83)「もつれた感情と異様な行動の裏を紐解く」
日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分の心に留まったもの、自分の振り返りの言葉などを取り上げて、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「もつれた感情と異様な行動の裏を紐解く」というものです。

対人援助の仕事をしていると、様々な人に会いますが、いわゆる「癖のある方」にお会いする割合も比較的多いなと感じています。特に「相談室」や「サポートセンター」を掲げている部署ですと、別な部署での対応が難しく、こちらに声がかかる事も少なくありません。
これらの癖のある方の「癖」は、表情・態度・言動に表れ、異様な雰囲気に映るものです。その空気感が形容しがたい場合も多く、人によってはそれを「気味が悪い」「なんか変」「嫌な感じ」という表現になり、対応しがたくなります。
私は、このような癖のある方を目の前にする時にいつも考える事があります。それは、「この癖のきっかけは何処にある?」という事です。その人が表面上出して、出てしまっている異様さの裏側には、それを行っている事で、「その人自身にとっての都合がよい状態」か「その人自身にとってそうでなければ辻褄が合わない状態」であるからこそ続けている訳です。例えば、「ゴミ屋敷」の住人には、そこに住んでいる事を仕方が無いと思わせる背景がちゃんと存在している事になります。
そこには、育ちの歴史があったり、身に付いている自分の思考の癖であったり、感情のもつれだったり、疾患が隠れていたり様々です。経験上、いずれもちょっと異様に映る行動の裏に、何かしらの問題が隠れている場合が多いと考えます。だからこそ、目の前にいる方の「アセスメント」には力を入れます。そして、アセスメントを繰り返す事により対象者の情報を更新していく必要があります。
今回のテーマになった「もつれた感情と異様な行動の裏を紐解く」という言葉は、癖のある人・厄介な人と感じさせる人と相対する時に、引き気味になる私を職業人として向き直させてくれる言葉であり、同時にアセスメントを行うことで人間理解を諦めない言葉になるのかなと振り返りました。