自分の気付きと振り返り(41)「感じのいいソーシャルワーカーになろう」

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「感じのいいソーシャルワーカーになろう」というものです。
これは私が先輩から教わった言葉で、自分も後輩になるソーシャルワーカーに必ず伝えている言葉です。「感じのいい」という言葉はとても抽象的な表現になりますが、この言葉をソーシャルワーカーとしての価値・原理原則・倫理・態度に当てはめて考えると、奥が深いものになります。
例えば、クライアントからの訴えに対して何でも断らずに動いていくことは、一見話を受け止めて行動しているように見えますが、ソーシャルワーカーの価値観で考えた場合、それはただの「御用聞き」です。これでは、クライアントのデマンドのみを叶えるだけで「ニーズ」をアセスメント出来ていません。
また、支援者としてどのような方でも対応が出来るようにと、知識を沢山仕入れていく課程で自分に自信が付き、いざクライアントの相談を目の前にすると、支援者自身の知識を見せつける事が目的のようになってしまうことがあります。単純にクライアントの課題を要素として抽出して解決策を羅列するのみで、「感情」に触れようともせず、最悪の場合は目を向けようともしない状況に陥る事があります。
更に、クライアントの様々な感情を支援者は批判することなく受け入れようとする中で、それをきっかけにクライアントが支援者に対して依存的になる場合があります。クライアントの否定に繋がるような言動をしてはいけないと思うあまり、結果的に支援者側がクライアントにコントロールされてしまうような状況に陥る事もあります。
これらの例は、相談援助職の基本原則の「バイスティックの7原則」にある、「受容の原則」「非審判的な態度の原則」「統制された情緒的関与の原則」「自己決定の原則」等が守られていない、もしくは原則同士が反発していることで支援者のポジショニングが揺らいでいる事に繋がり、クライアントと向き合う上で決して良い状況とは呼べないものになってしまいます。
このように、ソーシャルワーカーはクライアントと向き合う中で、日々支援者としてこれら「価値」「原理原則」「倫理」「態度」を自分のものさしと照らし合わせ、自分も育てていきます。このような一連の流れをひっくるめて、あくまでソーシャルワーカーとして「感じのいい」支援者になることを目標にしています。
私の先輩が教えてくれたこの言葉は、経験年数が経つにつれて重みを増して、いつしか自分を支える主軸になっていました。これからも私は、「感じのいい」ソーシャルワーカーになれるように、日々クライアントと自分に向き合っていきたいと思います。