「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

自分の気付きと振り返り(57)「視線を掴みに行く」

 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。

今回の言葉は「視線を掴みに行く」というものです。

対人援助職はコミュニケーションを武器にします。クライアントやその家族と向き合う時はもちろん、支援者スタッフたちとのやり取りや会議、研修など、様々な場面においてコミュニケーションを取らない場面はありません。

そのような中で、特に私が注意をしている事があります。それは「視線を掴みに行く」ということです。これは、日頃のコミュニケーションを取るときはもちろんですが、クライアントが認知症の方であるほど、意識的に使っています。

認知症の方は、その症状が進行すればするほど、様々な場面で注意が散漫になります。頭で処理できる情報がとても少なくなり、感情的になったり、諦めたり、悲観したり、話題がすり替わったりしてしまいます。また、認知症の最重度の状況に至ると、目の前のものではない情景や環境が本人には見えてしまっており、今ここに居る事を意識できずに混乱してしまったり、逆に全く返答できなくなってしまう事もあります。

そのような認知症の重度な状況に至ったクライアントと出会った際は、まず自分からクライアントの視線に自分の目線が行くように近づき、緊張感が和らぐように微笑みかけたり、気が付かない時は肩や手をそっと触れながらその場に居るようにします。そして、私の目線にクライアントが気付いた時に話すようにしています。話す内容も「はい・いいえ」など頷きや首振りでも返答しやすいクローズドクエスチョンから始めていきます。

視線を掴みに行く事は、もちろん意識や反応の無い方に対しても行っていきます。声は最後までクライアントに届いていると信じていますので、反応されない方でも目線を掴みに行きながら、今のクライアント自身の状況や向き合っている支援者自身の行動をクライアントに知ってもらうようにナレーションしながら声をかけ続け、本人に向き合う事を意識するようにしています。

私が大切にしている「感じの良いソーシャルワーカーになる」ということを体現する一つが、「目線を掴みに行く」という事なのだと改めて振り返りました。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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