自分の気付きと振り返り(61)「共通言語で話せる幸せ」

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「共通言語で話せる幸せ」というものです。
ソーシャルワーカーの職場では、同じ職種で働いている方が少ないのが一般的です。大きな組織程同じ職種は複数の人数がおりますが、小規模になるにつれてその配置基準の関係もあり人数は少なくなり、場合によってソーシャルワーカーは自分一人だけという職場も珍しくはありません。
また、職種的に相談援助職だが、ケアマネージャーと生活相談員というように、仕事の内容が違うという事もあります。更に基礎職種の目線の違いや組織の考え方、働いている個人の考えも相まって、中々同じ倫理観や価値観の土台で仕事が出来る状況に無い人も多いのではないでしょうか。
私は長らく対人援助職が大切したい価値観を共有できる人が同じ職場に居ませんでした。
私のソーシャルワーカーとして最も大切にしている事は「感じの良いソーシャルワーカーになろう」とうものです。このことを体現しようとすると、クライアントへ真摯に向き合う態度はもちろんの事、アセスメントや面接の力、組織への見せ方や働きかけ方、チーム作りと社会資源の上手な繋ぎ方など、多方面に自分を上手く使っていく必要があり、働き方的には職人的になってきます。最終的に自分が関わって「クライアントに不利益を渡さない」という事を体現し続ける必要がありますので、自己研鑽も大切になってきます。
現在働き方の見直しがあり、職場に置いて労働者は仕事が長時間にならない様に守られてきています。また、働き手の仕事の向き合い方自体が、お金を稼ぐ手段としての労働になっている部分もあります。そして人口減少問題から働き手が他産業から流入してくる事も少なくない事から、多様な価値観を持つ人が混在する職場にもなりやすいという社会構造上の問題もあることで、ソーシャルワーカーが大切にしたい価値観を基にする共通言語が伝わり辛い状況が生まれてきているのだと感じました。
同じ職場にソーシャルワーカーの共通言語で話が出来る環境というのは、本当に素晴らしい事です。共通言語で話せるからこそ、大切にしたい価値を共有し、課題になっている事を一緒に見る事が出来る状況にあり、育っていきたい方向性もお互いが認識できるのです。
今自分が一人で仕事をしている人や、職場に複数の同僚がいてもソーシャルワーカーの共通言語で話が出来ない事で、自分が潰れそうになっている状況の方も居るのではないでしょうか。そんな時は、外部に共通言語で話せる人(仲間)を見つけてみませんか。それが様々な職能団体だったり、研修会だったりします。仲間は外部にもちゃんと存在することを私も身をもって経験しています。
内部でも外部でも、共通言語で話せる幸せを改めて感じ、そこで得た事を少しでも広げていきたいと改めて振り返りました。