「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

自分の気付きと振り返り(64)「暮らしの難易度が上がっている」

 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。

今回の言葉は「暮らしの難易度が上がっている」というものです。

私達の現在の暮らしは、昨今の物価高騰や社会保障費の増額も重なり、手取り収入の増加があったとしてもインフレに追いついていません。そのため、全体的な暮らしの感覚として「生活が苦しい」と感じている人が多いのではないでしょうか。前と変わらない暮らしなのに以前よりもお金が出ていく状況において、買い物一つとっても今買うべきかどうかを、取捨選択をしながら進めている人が多いと思います。

このような生活の変化は、社会保障制度の枠組みで働く私たちにとっても大きく影響してきます。なぜなら、様々なインフレの状況において社会保障制度の維持をする上で、人・モノ・カネが足りなくなっている事は明らかだからです。2025年問題を迎えた今年、控えている2030年問題を想定すると、社会保障制度自体を存続させていく上で色々な所から財源を捻出しなければ立ち行かなくなります。

今までよりも制度運用は難しくなる中で、今まで使えていた社会保障サービスは、利用の難易度が高まります。また、使えていたサービスが改悪されていく事も想定されます。全体的にサービス利用の負担割合と利用料も高くなります。サービス提供事業所も事業の経営悪化による倒産や統廃合を繰り返し、淘汰されていく事は想像に難くありません。

日本人の貯蓄について取り上げてみると、金融広報中央委員会の世論調査の資料では、貯蓄が0円という世帯が全体の3割に上るという状況です。数千万円の資産を持っている方も居れば貯蓄0円の世帯がいる中で、今後日本人の「格差」は広がり、「弱者と強者の二極化」が際立っていきます。

今の世の中は、一度躓くと中々立て直すことが出来ない状況と言われています。個人と社会自体に余裕や余力や余白が無いのだと思います。だからこそ、個人も社会自体にも寛容さは失われつつあります。暮らしの難易度が年々上がっている現在、社会保障制度もまた、理解して上手に使いこなす事も非常に難易度が高いものになっています。

社会保障制度は、生きる事を守るセーフティーネットです。人間誰しも社会的に弱い立場になってしまう時が来ます。そのような時も、「生きていて良いんだ」と感じさせてくれるのが、日本の社会保障制度であって欲しいと思っています。社会保障制度の枠組みの中で働いている私達は、自分の暮らしを守りながら、クライアントの暮らしを守る事をしています。このことを私達はちゃんとソーシャルアクションとして考え、行動し、声をあげて行かなければいけないのかもしれません。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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