自分の気付きと振り返り(65)「心のセンサーで感じ取ったものを言語化する」

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「心のセンサーで感じ取ったものを言語化する」というものです。
対人援助の仕事に携わって長くなりましたが、どのレベルになっても言葉にするという大切さを感じ、「言語化」はいつも課題の上位になってくると私は思います。自分が思っている事、相手が感じている事、相手に届くように言い換えをする事、理解が進むように整理する事、段取りが納得いくように共有する事など、全てのコミュニケーション場面に置いて言語化が求められます。
言葉にしていくという対応を通して、目の前の人にちゃんと意図が伝わっているかどうかを確かめつつ、言葉が相手にとっても私自身にとってもしっくりこなかったら、別な言葉や表現に言い換えていきます。
言語化は、双方にとってコミュニケーション場面で理解を促し、意図を共有し合う為の手段です。しかし、コミュニケーションの場面は基本的にスピード感がある状況です。感情と情報が様々に変化していく場面において、言語化には時に瞬発力も必要です。
例えばクライアントの面接において、クライアントからの言葉にならない感情に触れた時、私自身が言葉に詰まる場面があります。そのような時私は、
・何を言ってあげる事が良いのだろう
・感情に触れている事を表現したい
・どの言葉だと相手は傷つかないかな
・相手も沈黙してこちらの反応を見ている
・どうしよう
という思考が頭で巡ってしまう癖があります。結果的に自分にとっても相手にとっても、何とも言えない返答と間を味合わせてしまう場面があります。
瞬発力のある言語化は技術です。技術を駆使してクライアントに向き合う事はとても大切です。しかし、頭で考えたセリフは、相手に伝わらない事も多いという事も痛感しています。そんな時に私は、基本に戻るように心がけています。それは、「自分の心のセンサーで感じ取ったものを言葉にする」という事です。
言語化という技術だけを求めると、最終的には相手を置いて行ってしまう事も良くあります。言葉の意味に支配されてしまい過ぎるという状況かもしれません。言語化は大切なのですが、最も大切なのは、共通認識しやすい言葉で分かりやすく、クライアントの心に触れて「あなたを大切にしている」という事が伝わる事だと思います。
自問自答する言語化を進めるのではなく、心のセンサーで感じ取ったものを言葉にする言語化をこれからも大切にし、その上で言語化の瞬発力を鍛える為に日々人とのコミュニケーションを大切にしていきたいと振り返りました。