自分の気付きと振り返り(84)「言葉と思いの違いを感じる」
日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分の心に留まったもの、自分の振り返りの言葉などを取り上げて、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「言葉と思いの違いを感じる」というものです。

この言葉は、自分自身で感じる時と、他者に感じる時の両方があります。そのどちらにも共通しているのは、「自分のメリットの為」に嘘をついている事です。
例として、「他人に対して自分を普段よりも大きく、良く見せようと思い、つい見栄を張るような嘘を言ってしまった」という事を取り上げてみます。
「良く見られたい」「かっこつけたい」という気持ちがメリットとして感じる根底があり、つい嘘が口を突いて出るのが一般的ではないでしょうか。この嘘が出る状況を更に掘り下げていくと、他者と比較して自分自身の「弱さ」を認めたくない・認められない時に現れる事が多くなります。
人が無意識についてしまう嘘は、人によっては、まだ弱い自分、立ち向かえない自分の心を保つために必要なものかもしれません。
しかし、嘘に嘘を重ねていたら、立ち行かなくなる日がいつか来ると思います。その時に立ち上がれなくなる前に、自分自身を客観視して、今の自分を点検していくのも良いかもしれません。対人援助職でいえば「自己覚知」という言葉になります。
私はこれまで、自分が弱い事を自分自身にも相手にも悟られぬように、良く見せようとハリボテを作り着飾っていた時がありました。この背景には、自分の弱さを見てしまうと立ち上がれない怖さを無意識に感じ、その弱い自分に立ち向かえないからこそ、自分の弱さを感じないようにして、必死に見えないフリをしました。この後ろ向きの努力の結果、しっかり自分自身の信用を失うという失敗まで体験をしました。
更に厄介なことに、このような自分自身の嘘により手痛い失敗を経験していても、慣れ親しんだ習性は簡単に変化しません。それでも自分自身の成長の過程において、嘘を言ってしまった直後から自身の脳内反省会が始まるように私はなりました。
そして、どうやって嘘を訂正していくか余計な悩みも同時に抱えました。この一連の自分の損な行動を見直していく中で、少しずつ「自分を良く見せる嘘」をつかなくても良いような「弱さを認める」ことが出来てきました。
今回の言葉である「言葉と思いの違いを感じる」には、それを感じ取れる「心の感度」が高い事はもちろん、自己覚知が出来て自分を客観視出来ているからこそ感じる言葉なのだなと思います。そして、この経験や体験をしている人だからこそ、他人に対して言葉と思いの違いを感じられるのだと改めて振り返りました。