自分の気付きと振り返り(73)「一生懸命という言葉で自分を美化しない」

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「一生懸命という言葉で自分を美化しない」というものです。
専門職で仕事をしていると、価値観や信念など、自分の軸のようなものが形作られていきます。専門家であればこそ、それら自分の核になるものが生まれて磨いていくのは当然です。しかし、自分の価値観や信念がもっともらしく自信がある時こそ、時にそのまま相手に突きつける行動をしてしまっていました。
この一連の状況を振り返ると、自分の信念や価値観に自信を持っていた裏側にあるものは、「一生懸命やっている私は間違っていない」「一生懸命やっていない相手が間違っている」「一生懸命やっている私が正しい」という思い込みでした。そして、そう思い込む事で、自分に自身が無くブレそうになる自分を支えていたのだと思います。
自分がブレるその弱さの根底には、自己評価が低く、他者評価でしか自分に自信が保てない私がいました。結果的に、変な私の自信が人を傷つけ、その間違いを正当化しようと自分に詭弁を語るようになっていきました。
そんな時に「一生懸命という言葉で自分を美化しない」という言葉に出会い、はっとさせられました。そして、自己陶酔していた私がようやく立ち止まれた気がしました。
一生懸命やっている自分と違う意見や考えを提示された場合に、前の自分は「私を非難している!」と捉え、一方的に相手を悪者にして、自分を被害者にしてしまう構造が出来上がっていました。冷静になった今このような状況を俯瞰して見ると、自分が傷つきたくないあまりに、なんて馬鹿な事をしていたんだろうと思います。
昔の私のままでいたら、自分が傷つきたくないあまりに「他責思考」に陥ったままとなり、最終的に対人援助職の仕事でチームワークも取れず、クライアントの支援は出来なくなっていたと思います。
「一生懸命という言葉で自分を美化しない」という言葉は、自分のポジショニングを見直して、ニュートラルに戻れる言葉だと気が付きました。
これからも、思考の視野が狭くなったことを感じた時や、相手を一方的に非難している時、柔軟に考えられなくなった時は、自分に詭弁を語る悪い癖を発揮している時だと気づいて、立ち止まるようにしたいと思います。
自分しか信用していない被害者のままだと、クライアントに不利益を与えるばかりか、自分一人ではたどり着けなかった別な答えや可能性を捨ててしまう場合もあり、自己成長の機会を失い勿体ないですからね。