「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

自分の気付きと振り返り(73)「一生懸命という言葉で自分を美化しない」

 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分に引っかかった事を自分の言葉を追加して、備忘録的に書き留めます。

今回の言葉は「一生懸命という言葉で自分を美化しない」というものです。

専門職で仕事をしていると、価値観や信念など、自分の軸のようなものが形作られていきます。専門家であればこそ、それら自分の核になるものが生まれて磨いていくのは当然です。しかし、自分の価値観や信念がもっともらしく自信がある時こそ、時にそのまま相手に突きつける行動をしてしまっていました。

この一連の状況を振り返ると、自分の信念や価値観に自信を持っていた裏側にあるものは、「一生懸命やっている私は間違っていない」「一生懸命やっていない相手が間違っている」「一生懸命やっている私が正しい」という思い込みでした。そして、そう思い込む事で、自分に自身が無くブレそうになる自分を支えていたのだと思います。

自分がブレるその弱さの根底には、自己評価が低く、他者評価でしか自分に自信が保てない私がいました。結果的に、変な私の自信が人を傷つけ、その間違いを正当化しようと自分に詭弁を語るようになっていきました。

そんな時に「一生懸命という言葉で自分を美化しない」という言葉に出会い、はっとさせられました。そして、自己陶酔していた私がようやく立ち止まれた気がしました。

一生懸命やっている自分と違う意見や考えを提示された場合に、前の自分は「私を非難している!」と捉え、一方的に相手を悪者にして、自分を被害者にしてしまう構造が出来上がっていました。冷静になった今このような状況を俯瞰して見ると、自分が傷つきたくないあまりに、なんて馬鹿な事をしていたんだろうと思います。

昔の私のままでいたら、自分が傷つきたくないあまりに「他責思考」に陥ったままとなり、最終的に対人援助職の仕事でチームワークも取れず、クライアントの支援は出来なくなっていたと思います。

「一生懸命という言葉で自分を美化しない」という言葉は、自分のポジショニングを見直して、ニュートラルに戻れる言葉だと気が付きました。

これからも、思考の視野が狭くなったことを感じた時や、相手を一方的に非難している時、柔軟に考えられなくなった時は、自分に詭弁を語る悪い癖を発揮している時だと気づいて、立ち止まるようにしたいと思います。

自分しか信用していない被害者のままだと、クライアントに不利益を与えるばかりか、自分一人ではたどり着けなかった別な答えや可能性を捨ててしまう場合もあり、自己成長の機会を失い勿体ないですからね。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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