自分の気付きと振り返り(98)「声には人柄が、話し方には人間性が現れる」
日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分の心に留まったもの、自分の振り返りの言葉などを取り上げて、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「声には人柄が、話し方には人間性が現れる」というものです。

対人援助の仕事をしていると、様々な方とコミュニケーションを取ります。そのやりとりの仕方は様々で、現地で顔を合わせてやりとりをする事はもちろんのこと、手紙・メール・SNSなどの文字のやり取りも多くあります。コロナ禍以降のITコミュニケーションの発達から、対面型オンライン通信も活発になりました。しかし、即時性や即応性が求められる現場では、電話・インカムをはじめとした「声」を使った音声コミュニケーションは切っても切り離せない重要なコミュニケーションではないでしょうか。
実は私は、電話でのやりとりが苦手です。当たり前のように仕事では電話は利用しており、組織内外を始め、クライアントやその家族に対して多くのやり取りを電話で行っています。しかし、顔の見えない「声」のみのコミュニケーションは、顔が見えないからこそ、お互いに少ない情報で意図や内容を理解していく形となり、結果としてお互いに意図しないものが、言葉よりも先に伝わってしまう事が多いのです。
例えば、声の大きさや声質を例に挙げれば、「大きく低い声質」というだけで、言葉の意味を知るよりも早く、受け手側は「威圧感・怖さ」を勝手に感じやすくなってしまいます。また、「話のスピード・テンポが速い」というだけで、受け手側は「急かされた・判断を迫られた・攻められた」と感じてしまう事も多いのです。さらに、「声のトーン」だけで、受け手側は話し手側の「快不快の感情」を勝手に察してしまいます。
言葉の意味が伝わるよりも早く、お互いの感情を何となく感じ取ってしまう音声コミュニケーションは、利用する手軽さと裏腹に、対人援助職としては非常に注意が必要です。この注意が必要であるという意図を端的に言い表してくれているのが、「声には人柄が、話し方には人間性が現れる」という言葉です。
お互いに相手を勝手に想像出来る余地がある音声コミュニケーションは、まさしく人柄と人間性が浮き彫りにしてしまいます。クライアントが対人援助職に対して思う最初の印象は、電話での最初の一言目で決まると言っても過言ではありません。
関係性の中で仕事をする対人援助職は、もっと電話でのコミュニケーションを大切にしなければいけないなと、改めて考えさせられました。そして、この言葉はまさに、インテーク面接における関係性づくりの基本だと思います。電話で話している私は、果たして「感じの良いソーシャルワーカー」になっているのだろうか、と俯瞰する自分に問いかけ、日々の業務に臨みたいと振り返りました。