自分の気付きと振り返り(106)「意思決定は形成・表明・実現をたどるプロセス」
日頃の仕事での気付きや、本やメディアなどの言葉で自分の心に留まったもの、自分の振り返りの言葉などを取り上げて、備忘録的に書き留めます。
今回の言葉は「意思決定支援は形成・表明・実現をたどるプロセス」というものです。

クライエントの支援の中で、最も重要とされる対応の1つが「意思決定支援」です。「自分の事を自分で決める」という、人が幸せに生きる上で当たり前の権利が人には保証されているのですが、その人を取り巻く環境や障害や疾患などにより、その権利が蔑ろにされてしまう状況が散見されます。
この状況は、支援者がクライエントに関わっていても、同様な状況が生まれます。クライエントに対して「これ以上傷付かない様に」という配慮からくる「選択肢の除外」であったり、「総合的に見て妥当性や合理性に欠ける」という観点から一定の「選択肢を否定」したり、「支援者が考える最善の対応」しか選べない様に「安易にコントロール」したり。
これらは対人援助職であれば、思い当たる対応が一度はあるのではないでしょうか。私も振り返ると、例に挙げたような対応をさも当たり前のようにしていました。申し訳ないと後悔したことは数え切れません。
クライエントに一番身近にいる支援者が「クライエントの一番の権利侵害者」とはよく言われたものです。私は対人援助職として、クライエントの権利を侵害しやすい環境と状況にある事を改めて振り返った時に、クライエントの意思決定支援の中で、どうしたら支援者本位にならないように出来るか考えてみました。意思決定支援という言葉が、そもそも自分の中で上手に言語化出来ていないことにも理由があると感じました。
そのような事を漠然と考えている中、研修会に参加した際に出会った意思決定支援の理解の仕方が、今回の言葉である「意思決定支援は形成・表明・実現をたどるプロセス」というものでした。下記に整理してみます。
[意思決定支援とは]
・意思決定の瞬間だけを支援するのではなく、日頃から本人の価値観や好みを理解し、コミュニケーションを重ね、本人の意思形成を助ける継続的なプロセスの事。
・そのプロセスには、「意思形成支援」「意思表明支援」「意思実現支援」がある。
[意思形成支援とは]
・クライエントに対しての情報提供と理解の支援であり、本人が自分なりの考えをまとめるための支援。
[意思表明支援とは]
・形成された意思を他者に伝えるための支援。
[意思実現支援とは]
・表明された意思を実際の生活や社会活動に反映させる支援。
これら各支援を包括して「意思決定支援」と理解をする事が出来たことで、私は改めてクライエントに対して、ちゃんと意思決定支援をしていない、もしくは不十分だと痛感しました。
同時に、これら意思決定支援にかかわる継続的なプロセスを丁寧に言語化出来たことで、どの段階で支援者が権利侵害に該当しているのかを分かりやすくすることが出来ました。