「生き辛さを支える」ソーシャルワーカーの相談室

本の感想(4)

2023/04/02
 
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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

本の感想。今回はニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんが書いた、

「元コミュ障アナウンサーが考案した会話がしんどい人のための 話し方・聞き方の教科書」です。

<本を読んで気になった所と感想>

【コミュニケーションの目的】
・コミュニケーションの目的は、誰かと楽しい時間を共有する、気持ちよく会話することだとしたら、コミュニケーションそのもが手段であり、目的である。
・コミュニケーションが「辛い」と感じる人は、コミュニケーションに価値を感じている人。大事に感じているからこそ、失敗や傷つくのが苦痛。または、「面倒くさい」に偽装された「恐怖」かもしれない。
・漫画「3月のライオン」より、『達成感と面倒くささは、もれなくセットになっている』と。
・苦手だと思うからこそ、人とのコミュニケーションを取るための武器を、自分たちは持ち合わせるかどうかポイントになる。「コミュニケーションに使える武器(エッセンス)」を知り、使ってみる。(ただ、この武器は技術だから知るだけでは扱えない)

【コミュニケーションの武器(エッセンス)】
①「最強の相づち(えっ?あっ!)を駆使する」
・相づち=相手に興味を持っている証明かつ、相手への報酬。
・これは、相手に対して「こちらが思っていること」を「相手から見える行動」に変換しているから、お互いに伝わりやすい。(注意:コミュニケーションは、自己表現の場ではない事を意識するとやりやす)

②無駄な雑談は、「すること自体」が目的。
・これは、霊長類のグルーミングと同じで、つながるためのコミュニケーション。雑談はグルーミングより優れている。なぜなら雑談は、複数対複数で可能だから。
・一方職場などでは、仕事上のコミュニケーション(制度的コミュニケーション)はできるけど、「交話的コミュニケーション」は苦手。(交話的=ふれあい)
・交話的コミュニケーション(ふれあい)は、お互いに利害関係が無いから心地よく成立する。(どうでもいい話=雑談)
・グルーミングとしての雑談に、オチはいらない。オチが必要だと感じるのは、自己表現の場だと感じているからではないか?
・グルーミングとしての雑談の意図は、「私はあなたの敵ではない」が知ってもらえれば目標達成。
・どうでもいい話は、双方に利益が発生しないからこそ、そんな無駄な時間を割いてくれる人間関係が大事だと思える人が、大切にしてくれている。(時間をかけて価値を生むことを共有する大切さ:心地良さ)

【コミュニケーションの体系】
・「パス」は、相手に話してもらうためのきっかけをつくる「質問」
・「ドリブル」は、自分で話題をキープする「しゃべる」
・「トラップ」は、相手のパスを受けて自分で次に行くためのコントロールしていく「相づち・リアクション」
・「しゃべる」は「描写」である。自分の目に映ること、心に映る考えを言葉にすること。
・相づちは、相手への報酬である。
・無意識の逆接の接続詞(だけど、でも)は相手に否定的な印象を受けてしまう。

【コミュニケーションの実践行動】
・「えっ!」は最高の相づち。
・「どうやって?」は、相手に自分の行動を具体的に描写するから、大量な情報を引き出すことが可能。
・反対に「何故?」と聞くと、考えて話すから、思考過程が描写になりにくく話がつまる。
・調べられる情報の裏側には、必ず表に出ていないものがある。
・「知っていることを聞く」行動は、相手にとって「取り調べ」と同じ。
・自分にとってその話題が「知らない」という状況は、自分にとっての話が続かない「弱点」ではなく、最大の会話することのチャンス。思い込みを相手に話してみる。
・質問は、相手の空白を埋めていけること。興味を持ち、想像をしながら、憶測も話して失敗しても、教えてもらえば大丈夫。
・会話の終わらせ方は、話しをまとめる。感想を言う。次回の約束を言う。挨拶を言う。
・マウントを取られたら、「すごい!」と奉る。そうすれば、相手は競争しない。
・嘘は、圧倒的に解像度が低い。ただし、「優しい嘘」や、事実から広げた相手にとって不都合では無い真実として、嘘を使うこともあり。
・「伝える」は、自分が意識的にできる。しかし、「伝わってしまう」こと、相手の受け取り方なので、発信者側では、中々コントロールが難しい。(意図せず伝わってしまう弊害がある事を理解する)
・「つっこみ!」は、私はあなたとは違うけど、無視はしないよ!という態度の表明である。

【SNSに関わるコミュニケーション(一方通行)と生身のコミュニケーション(双方向)】
・ほとんどのSNSでは、自分の価値観を相手への気遣いもなく書き飛ばし、身勝手な常識を無意識な晒してしまう人が沢山いる。これは、コミュニケーションの片側しか居ないから。
・生身のコミュニケーションは、双方向だから、無反応も1つの返答。腹を決めたり、そのままでは受け入れられないことをまなび、表現を工夫する場である。

【本を読んでの私の総括】
・コミュニケーションって、やはり価値があるんだなと改めて感じた。
・人と人の間において「生きやすくするための行動」がコミュニケーション。
・人とは違う考え方や人生をみると、自分の面白さを発見できるはず。人は違うから面白い。
・「くだらない話」をしようよ。

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現在は医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年以上働いていおります。相談援助職の国家資格である「社会福祉士」の資格を持ち、介護保険制度のプロである「介護支援専門員」の資格も生かし、医療と福祉の両面で、生活すること、生きること、暮らすことのお手伝いを行っています。 中々人に言い辛い「お金にまつわること」を始めとすることや「社会保障制度」の活用の仕方や、「介護サービスのこと」「病院の選び方」に関わるアドバイスが可能です。 また「医師・看護師とのコミュニケーションの取り方」で中々自分の言いたいことが伝わらない一方通行な言われ方・やり取りをした経験はありませんか?医療職種の考え方・言葉の中に何が含まれているのか、紐解くお手伝いも得意です。 様々な公的制度や対人コミュニケーションを円滑にするポイントを探し、暮らしのお手伝いになれる「相談員」としてご活用ください。 また、気軽に趣味の投稿も備忘録として増やしていきます。

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