「介護保険制度」って高齢者だけの制度ではありません。保険料を支払っている「40歳」から該当することがあります。
皆様こんにちは。今回のテーマは、「介護保険制度」は保険料を支払っている「40歳」から該当することがある、ということをもっと知って頂きたくて取り上げました。それでは順を追ってご説明をさせていただきます。
<介護保険制度の財源は保険料と税金です>
介護保険制度の運営に必要な財源は、「保険料」と「税金」ですべて賄われています。保険料を支払っている私たち国民(被保険者)の保険料が財源全体の50%となっています。そして税金も財源全体の50%を占めているのです。税金の内訳としては、国の支出の税金が25%、都道府県が12.5%、市区町村12.5%という内容です。
また、75歳以上の高齢者の比率が高い市区町村や、所得が全国平均よりも低い水準にある市区町村については、調整交付金というもので市区町村の格差が調整されています。
<私たちの支払っている「保険料」は、一律の金額ではありません>
第1号被保険者の2015~17年度の介護保険料は、平均で約5500円/月額です。第2号被保険者の2016年度の介護保険料は、平均で約5300円/月額となっており、要介護者の増加とともに保険料も増加傾向にあります。
また、市区町村によっては既に7000円/月額を超える保険料を納めている所がいくつもあります。それぞれの市区町村の人口動態や、利用されるサービスの需要と供給のバランスを取るために、保険料にも大きな幅がある事を知っておく必要があると思います。
これらの財源を使い、介護保険制度の整備やサービスの確保も含めた運営(保険者)は、住民に一番近い「市区町村」となっているのです。
<制度の利用は「年齢」で区分けされている>
この介護保険制度において、介護保険制度を利用出来る人(被保険者)はどのような方なのかを下記にご説明いたします。この被保険者には「第1号被保険者」と「第2号被保険者」の2つに分けられます。
[第1号被保険者]
・対象者…65歳以上の全ての人
・受給の要件…要介護者(常時介護を要する状態の方)、要支援者(虚弱な高齢者)
・保険料の負担額…所得段階別の定額保険料(所得段階は市区町村によって差がある)
・保険料の徴収…公的年金からの徴収(特別徴収と普通徴収の方法がある)
[第2号被保険者]
・対象者…40歳以上から65歳未満で、公的医療保険制度に加入している人
・受給の要件…「特定疾病」が原因により常時介護を要する状態や虚弱状態にある方
・保険料の負担額…加入している各公的医療保険制度の規定に基づいた保険料
・保険料の徴収…医療保険者が医療保険料として上乗せして徴収
<40歳から介護保険を利用出来る方は「特定疾病」の方です>
さて、第2号被保険者の受給要件にある「特定疾病」について、もう少し詳しくご説明いたします。特定疾病とは、国が認めた65歳未満でも介護保険制度が適応される16疾病をいいます。疾病は下記の通りです。
【特定疾病(16疾病)】
・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断した状態) ・筋萎縮性側策硬化症 ・後縦靭帯骨化症 ・骨折を伴う骨粗鬆症 ・多系統萎縮症 ・初老期における認知症 ・脊髄小脳変性症 ・脊柱管狭窄症 ・早老症 ・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 ・脳血管疾患 ・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病 ・閉塞性動脈硬化症 ・関節リウマチ ・慢性閉塞性肺疾患 ・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
<介護保険制度は、自らが申請を行って初めて利用が可能になります>
上記のように対象になり得る条件を満たした第1号被保険者と第2号被保険者が、市区町村役場の「介護保険担当窓口(高齢福祉課・介護保険課など)」で「申請」することにより、はじめて介護保険制度が利用できるようになります。その条件に該当すれば自動的に制度が活用できる訳ではなく、自ら申請をして制度を利用できる状態にしなければいけませんので注意が必要です。これを「申請主義」といいます。
ちなみに、被保険者の中には3ヶ月を越えて在留する外国人で住所を有する人(外国人住民)も対象にしておりますので、併せてご報告させていただきます。次回からは申請という手続き部分についてご説明をさせていただきます。